誰も書かないので書こう書こうと思って一年が経ってしまったこの話。変だとは思いませんか?いわゆるミズノ社製の「飛ぶボール」問題。つい最近の日刊スポーツの記者コラムの中にも書かれていましたが、もともとよく飛んでいた「飛ぶボール」が去年、今年と年を追うごとにさらに飛ぶようになっている。実際、去年と比べて飛ぶようになったかどうかは本塁打数など複数のデータに照らし合わせみなければ分かりませんが、感覚的にはこすったようなあたりでもホームラン、当てただけでもホームラン、今年のボールの飛び方は異常とまで感じています。解説者や選手の中にもそれを指摘する選手は多いし、ボールがさら飛ぶようになってるというのはまず間違いないでしょう。
問題はなぜこんなことが起こるのかということ。知ってのとおりボールが飛ぶ飛ばないに関しては規制がある。コミッショナー事務局はピッチングマシンから打ち出したボールを鉄板に当て、ぶつかる前の速度と跳ね返りの速度を測って「反発係数」を算出するいわゆる「反発度テスト」をして、飛びすぎるボール、飛ばないボールの規制を行っています。使用されているボールは係数0.41~0.44の範囲内。 規定どおりにテストが行われているなら従来と比べてボールの飛距離が飛躍的に延びるようになるなんてことはありえないはず、しかし実態は・・・。
さて、じゃあ何故こんなことになるのかという問題。答えは簡単。コミッショナー事務局が行っている「反発度テスト」がボールの飛ぶ飛ばないを計る基準として適切ではないからです。このテストはボールの飛距離を測るための1つの目安ではあるかもしれないが、実際はそれだけでは十分ではない。飛ぶボールの問題を取り上げた昨年7月24日の朝日新聞によると「範囲内であれば、反発力による飛距離はそれほど変わらない」(日本車両検査協会)らしい。さらに同じ記事内のミズノ社のコメントによれば飛距離の決め手はボールの復元力の速さにあるという。「ボールがバットに当たって変形し、そこから丸い形に戻るのが早いほど空気抵抗が少なく、飛距離が増す」(朝日新聞)とのこと。それを裏付けるように「最高品質の素材を使っているのが、復元力の早さにつながっているのかも」とミズノもコメント。ミズノがボールに他社よりもいい素材を使っていることはよく知られている。飛距離の鍵は素材の良し悪しからくる「復元力」の違いと見て間違いないだろう。そしてそれはボールの跳ね返りの速度を測る現在の検査方法では飛距離を測る要素として取り入れることができていないものであると見ていいはず。なんのことはない制限を設けたとはいえそれを測る物差しが適切ではないかもしれないのだ。 それじゃ規制なんかできるわけがない。検査方法の再検証を望む。